抹茶はd:matchaさんのこだわりの抹茶
(川谷)こんにちは!
今日はフスボンの抹茶製品の抹茶を提供して頂いているd:matchaの田中社長に来ていただきました。 田中さん、いつも、美味しい抹茶をありがとうございます。本日はお忙しい中、ありがとうございます。
(田中)こちらこそ、いつもありがとうございます!
(川谷)田中さんとの出会いは、共通の知人からの紹介でした。ご紹介頂いたのがちょうど田中さんが留学される前でしたので、ご紹介いただいてからお会いするまで随分時間がありましたが(笑)抹茶やお茶の専門店とお聞きしていたので、お会いするのをとても楽しみにしていました。
今日は、田中さんがd:matchaを立ち上げた経緯やd:matchaと他の抹茶の違いについてを中心にお伺いさせて頂ければと思っています。 まずは、農学部に進まれたきっかけがあれば教えてください。
農学部に進まれたきっかけについて
(田中)将来は、人の健康を良くする仕事につきたい、とずっと考えていました。 高校時代に「日本の自給率40%」という本をたまたま図書館で手に取り、自分達の食べる食が国内で賄えていない事態に強い危機感を感じました。そこから、日本の食で人々を健康にできる仕事がしたい、と思い、農学部を志すことになりました。
(川谷)ありがとうございます。 高校生の時から社会貢献的な思考をされていて、頭が下がります。僕は、実家が建設業をしていたのと、物理や数学が好きだったことで、なんとなく建築学科を選んでいたのと大違いです(笑)
改めて、d-matcha立上げの経緯について教えて下さい。
(田中)大学の農学部に在籍していた時から、将来は日本の農業で世界へ勝負したい!と考えておりました。
農業 実習の中で、京野菜を売る農家さんと、他の地域の農家さんを訪れ、ブランディングと自ら販売チャネルを持つことの重要性を感じました。
(川谷)大学の実習で、高付加価値の野菜を扱う農家と触れ合う機会があったのはとてもよかったですね。 大学卒業後はどのようにされていたのでしょうか。
(田中)卒業後、農業分野の起業に関して具体的なアイデアがあるわけではなかったので、外資系コンサルや、米国のドーナッツチェーンの再生を社長として担い、米国に留学をしました。
(川谷)なるほど。 さまざまな選択肢がある中でお茶に注目し、起業されたのはどうしてなのでしょうか?
お茶に注目した理由
(田中)「お茶」を取り扱いの商品として選んだのは、
①世界的に需要が長期にわたって伸びていること
②健康に良いこと
③飲むだけではなく菓子や食料にも活用でき間口が広いこと
④茶道など日本文化と密接にからみstoryがあること
などがあります。 世界的に需要がある中で、供給側、つまり茶葉生産においては、高齢化の波で作り手がヘリ、国内では海外市場で求められている有機栽培がわずか3%しかない状況でした。
生産から自分達で行い、販売をしていくことは、世界の顧客のニーズにこたえることができると考え、生産~販売まで一気通貫で担う、d:matchaを立ち上げました。
(川谷)販売はともかく、立ち上げの時点から生産も視野にいれていたのは驚きです。大学で農業を学んでいたとは思いますが、実際に栽培までやるとなると大変だと思うのですが、どのように栽培までこぎつけたのでしょうか。
栽培までの経緯
(田中)生産を担当している私の弟チセイともう一名のアカというスタッフが2016年4月より、京都府和束町の農家さんのところへ農業研修に従事しております。
会社としては、農地を探し続け、地元のご厚意で結構な面積の農地が集まってきました。
6月より自社の畑での収穫も行っております。 借りれる畑の多くは、農家さんも条件の厳しい場所から辞められるので、場所として過酷で厳しい場所が多いです。
しかし、我々は有機栽培での緑茶の生産を目指しているので、他の畑からの農薬などの混入が無い傾斜地は逆に都合が良かったりします。また、傾斜地は日当たりが非常に良く、茶の木が病気になりにくいというメリットもあります。
実際この畑も凄い急斜面ですが、無農薬で栽培したお茶を収穫できました。
(川谷)急斜面が有機栽培に都合がいいのは、とても面白いですね。逆転の発想というかなんでも二面性がありますね。急斜面の作業は、やはり大変なのでしょうか。
(田中)作業は本当に大変です。斜面を降りるのに茶ノ木を手で持たないと降りれないほどです。
(川谷)怪我などしないように、気をつけて作業をして頂きたいです。 フスボンでも、ふすまや大豆粉など農薬を直接浴びる部分をオーガニックにこだわっていますが、田中さんがオーガニックに興味を持たれたのは何かきっかけはありましたか?
(田中)一番のきっかけは、アメリカでの留学でそのマーケット、食事情を目の当たりにしたことにあります。日本では慣行品についても非常にレベルの高い食材が多い。
しかし、アメリカでは有象無象のものが多く、特に富裕層は Organic認証=安全な食材 としての認識を強くもっています。
Whole FoodsgというOrganic スーパーが4,000億円ほどの売上があるほど、organicの需要は大きく、年々伸びています。したがって、海外、特にアメリカ市場に食品を輸出する場合は、Organicは最低限必要なものと考えています。
(川谷)ありがとうございます。 次に、フスボンで使用している抹茶について、教えてください。
フスボンで使用している抹茶について
(田中)フスボンさんに納品させて頂いている抹茶は、ふすまパンの中で他の具材と混ぜても抹茶の存在感がでるように、色味と味の強さを出せるように複数の品種をブレンドしました。
弊社自身も店舗をもっており、抹茶を使用した菓子やパンの開発などを自社で行っているため、用途に応じた抹茶のブレンドは得意としております。
(川谷)これからd:matchaさんの抹茶の商品をロールケーキやマフィンなどで増やしていきたいと思います。 最近、種子法の改正案が可決されたり、TPPからのアメリカの離脱、少子高齢化など農業を取り巻く環境が急速に変化しつつあります。
農学部出身の田中さんが日本の農業の未来をどのように考えているのかお聞かせください。
(田中)高齢化が進む日本の中でも農業分野での高齢化はさらに深刻です。 今後成長する国外にも販路をもてる稼げる農業を目指すとともに、人々が働きやすく、例えば働き方改革と言われていますが、農業は概して休みが少ないので、その点がまず第一ですね。
次に、田舎暮らしと都会暮らしは大きく異なるので、住みやすい環境の整備が必要と思います。 日本の場合、制度や仕組みの議論だけでなく、1人でも多くのロールモデルが生まれる方が早く全体的な影響をもたらすことができるのではないかと考えています。
1人でも多くの起業家、実業家が農、食の分野で活躍していくことの一助になっていきたいです。
(川谷)ありがとうございます。フスボンでも国内の原材料や地域の原材料をなるべく使って国内の農業を盛り上げていこうと思います。 本日はありがとうございました!
(田中)こちらこそありがとうございました!
(川谷)今度は農園にお邪魔したいと思います。では、また!
◯田中 大貴(たなか だいき)プロフィール d:matcha代表 京都大学農学部卒業。Babson College MBA卒業。米国系戦略コンサルティングファームBooz Allen Hamilton東京オフィスにて最年少最短でシニアコンサルタントに昇進。その後、EC ホールディングスの取締役を経て、26歳で㈱Doughnut Plant Tokyoの代表取締役社長として経営再建を担い、3期で黒字化を達成。2016年6月、D-matcha株式会社を設立。㈱シンホールディングスの取締役。 |