NMNの代替物としてのナイアシンやナイアシンアミド
みなさん、こんにちは。フスボンオーナーです。
「LIFESPAN 老いなき世界」という本などをきっかけに、老化に関する情報がアップロードされて、NMNに関して興味のある方も多いのではないでしょうか。
本日はNMNについて詳しくみていきます。
目次
NMNとは?
NMNは、「ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド」の頭文字をとってNMNと呼ばれています。英語で正確には、nicotinamide mononucleotideと言います。
NMNは本来、生体内でも生成されていますが、老化するとNMN生成能力が低下することが知られており、さまざまな代謝に関わる重要な補酵素であるNADが減少するので、細胞核の損傷やミトコンドリアの活性低下が進み老化につながると考えられています。NADは細胞内でエネルギーを生成する役割を担い、その量が減少すると、エネルギー生産が低下し、細胞の機能が衰える原因となります。NMNの補給によってNADのレベルを回復させることで、細胞のエネルギー生産が正常に保たれ、老化の進行を遅らせることが期待されています。
研究によれば、NMNは糖尿病、アルツハイマー病、内皮機能障害などの多くの病気に対して保護効果があるとされています。また、運動能力の向上や寿命の延長にも寄与する可能性が示唆されています。
「NMNは、NADの前駆体として機能し、老化に伴う生理機能の低下を逆転させる可能性がある。」
引用元:NAD+ Precursors Nicotinamide Mononucleotide (NMN) and Nicotinamide Riboside (NR): Potential Dietary Contribution to Health
NMNの生成と役割
NMNが生成される際の周辺の物質を整理してみましょう。上の図が、生体内でNMNが生成される時の流れですが、ナイアシンアミドがNMNの前駆体として存在しており、さらにNADを遡ると、ナイアシンが存在します。ナイアシン(ビタミンB3)は、食事から摂取することができ、体内でNMNに変換され、最終的にNADに変わります。
NADは、エネルギー代謝、DNA修復、免疫機能など、細胞の多くの重要な機能に関与しています。NADが不足すると、これらの機能が低下し、老化や病気のリスクが高まります。NMNの補給によってNADのレベルを維持することは、健康を保つために重要です。
例えば、NMNはインスリン感受性を改善し、糖尿病の管理に役立つとされています。また、ミトコンドリアの機能を回復させ、エネルギー生産を向上させることで、運動能力の向上や疲労感の軽減にも寄与します。
「NMNは、NADレベルを増加させることで、インスリン感受性の向上、ミトコンドリア機能の回復、寿命の延長などの効果を示しています。」
引用元:The Science Behind NMN–A Stable, Reliable NAD+Activator and Anti-Aging Molecule
このように、NMNは老化防止や健康維持のための重要な成分として注目されています。ナイアシンやナイアシンアミドのサプリを摂取することで、NMNと同様の効果が期待できるため、より手軽な方法として検討する価値があります。
ナイアシンの摂取の仕方
ナイアシン(ビタミンB3)は、水溶性のビタミンであり、肉、魚、全粒穀物などの食物に自然に含まれています。サプリメントとしても広く利用されており、ナイアシンアミドやナイアシンフラッシュフリーの形で摂取することができます。
ナイアシンの摂取方法としては、食事からの摂取が最も自然で健康的です。肉、魚、全粒穀物、豆類などに多く含まれており、バランスの取れた食事を心がけることで、十分なナイアシンを摂取することができます。しかし、特定の健康効果を求める場合や、食事だけでは十分なナイアシンを摂取できない場合には、サプリメントの利用が有効です。
ナイアシンのサプリメントには、ナイアシンフラッシュを引き起こす通常のナイアシンと、フラッシュを引き起こさないナイアシンアミドがあります。はじめてナイアシンサプリを摂取する方は、ナイアシンフラッシュのリスクを避けるために、ナイアシンアミドから始めることをおすすめします。
「ナイアシンは、NADの前駆体として機能し、SIRT1を活性化することで脂質代謝に有益な効果をもたらします。」
引用元:Niacin: an old lipid drug in a new NAD+ dress
また、ナイアシンを摂取する際には、適切な量を守ることが重要です。過剰摂取は副作用を引き起こす可能性ががあります。ナイアシンの1日の推奨摂取量は男性で16mg、女性で14mgですが、特定の健康効果を期待する場合には、医師と相談の上でサプリメントの摂取量を決定することが重要です。
ナイアシンの摂取は、健康を維持するために欠かせないものですが、特に高脂血症や心血管疾患のリスクが高い方にとっては重要です。ナイアシンは血清脂質プロファイルの改善に寄与し、LDLコレステロールやトリグリセリドの低下、HDLコレステロールの増加を促進します。
したがって、ナイアシンやナイアシンアミドのサプリメントは、特定の健康状態や目標に応じて適切に利用することで、効果的な健康維持が可能となります。
ナイアシンフラッシュとは
ナイアシンフラッシュとは、ナイアシン(ビタミンB3)を摂取した後に起こる一時的な副作用のことです。具体的には、顔面紅潮、上半身のほてり、かゆみ、発汗などの症状が現れます。これはナイアシンが血管を拡張させる作用によって引き起こされるものであり、一般的には無害ですが、不快感を伴うことがあります。
ナイアシンフラッシュは、初めてナイアシンを摂取する際に特に起こりやすく、時間と共に身体が慣れてくると症状が軽減することが多いです。しかし、初めてナイアシンを摂取する際には、フラッシュフリーのナイアシンやナイアシンアミドから始めることが推奨されます。
私自身、寝る前にフラッシュフリーでないナイアシンを一錠飲んだだけで、夜、体が熱くて寝汗をかいて目覚めました。このような体験から、初めてナイアシンを摂取する方には、フラッシュフリーのナイアシンを試すことを強くおすすめします。
「ナイアシンには血管拡張作用があり、初めて摂取する際にはナイアシンフラッシュと呼ばれる一時的な副作用が現れることがあります。」
引用元:Niacin: an old lipid drug in a new NAD+ dress
ナイアシンフラッシュを避けるためのポイントとしては、少量から始めて徐々に摂取量を増やすことや、食後に摂取することが効果的です。また、サプリメント選びにおいても、フラッシュフリーの製品を選ぶことで、副作用を最小限に抑えることができます。
ナイアシンの効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取方法と製品選びが重要です。ナイアシンフラッシュのリスクを理解し、安全かつ効果的に利用することで、健康維持や病気予防に役立てることができます。
NMNとナイアシンまとめ
NMNとナイアシンは、どちらもNAD+の前駆体として機能し、エネルギー代謝、DNA修復、免疫機能など、細胞の多くの重要な機能に関与しています。特に、老化に伴うNAD+の減少を補うことで、老化防止や健康維持に寄与することが期待されています。
ナイアシンは、食事から摂取できるため、日常的な栄養補給として利用しやすい一方、NMNは特定の健康効果を求める場合に有効です。両者を適切に組み合わせて利用することで、より効果的な健康維持が可能となります。
特に、ナイアシンの摂取は、血清脂質プロファイルの改善に寄与し、高脂血症や心血管疾患のリスクを低減する効果があります。また、NMNは糖尿病やアルツハイマー病などの多くの病気に対する保護効果を示しており、運動能力の向上や寿命の延長にも寄与する可能性があります。
「ナイアシンとNMNは、どちらもNAD+の前駆体として機能し、健康維持や老化防止に重要な役割を果たします。」
引用元:The Science Behind NMN–A Stable, Reliable NAD+Activator and Anti-Aging Molecule
ナイアシンやNMNの摂取に関して、個々の健康状態や目標に応じて適切な量を摂取することが重要です。特にサプリメントを利用する場合には、医師や栄養士と相談し、適切な製品を選ぶことが推奨されます。
ナイアシンがオーソモレキュラーの世界では、若返りのサプリとして知られていたこと、上記のような体内での生成過程を考えても、ナイアシンやナイアシンアミドでNMNの代替がきくと私は考えましたが、皆さんはどうでしょうか。
体内でのNMNの生成のされ方について詳しい方がいれば、経口摂取と生体内反応の違いなどについてぜひ教えてください。では、また!
First bran bread
はじめてのふすまパン
著者プロフィール
フスボンオーナー
川谷 洋史
HIROSHI KAWATANI
1980年・大阪生まれ
東京工業大学・工学部・建築学科卒
一級建築士
2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。
2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。
趣味
食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、YouTubeを観る
マイブーム
糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー