レジスタントスターチとは?
こんにちは!フスボンオーナーです。
本日は、炭水化物は冷やして食べると太らない?レジスタントスターチについて取り上げます。
一度は聞いたことがあると思いますが、本当なの?その理屈は?と気になったので調べてみました。
レジスタントスターチとは?
レジスタントスターチ(Resistant Starch, RS)は、難消化性デンプンの英語訳で消化酵素によって消化されずに大腸まで届くでんぷん質の一種です。
一般的なでんぷんと異なり、小腸で分解・吸収されないため、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があります。また、大腸に到達したレジスタントスターチは腸内細菌の栄養源となり、善玉菌の増加や腸内環境の改善に貢献します。
そのため、糖質制限ダイエットや腸内環境の改善、血糖値コントロールなどの健康面での効果が注目されています。レジスタントスターチは、自然に存在する食品(例:生のバナナや加熱後に冷えたじゃがいもなど)や特定の食品加工技術を用いて作られた製品に含まれています。
食品中のデンプンは、消化の速度や特性に基づいて、急速消化性デンプン(Rapidly Digestible Starch, RDS)、遅消化性デンプン(Slowly Digestible Starch, SDS)、難消化性デンプン(Resistant Starch, RS)の3つに分類されます。
急速消化性デンプン(Rapidly Digestible Starch, RDS)とは?
消化が速く、摂取後すぐに血糖値に影響を与えるデンプンです。通常、加熱や加工によってデンプンがゲル化した食品に多く含まれます。
遅消化性デンプン(Slowly Digestible Starch, SDS)とは?
消化が緩やかで、血糖値の上昇が緩やかになるデンプンです。遅消化性デンプンは、血糖値のコントロールや満腹感の持続に役立ちます。完全に加熱されていないデンプンや加工食品に多く含まれます。
また、難消化性と聞くと最近はデンプンよりもデキストリンの方がよく聞くので、その違いもここで説明しておきます。
難消化性デキストリンと難消化性デンプンの違いとは?
難消化性デキストリン(Resistant Dextrin)は、でんぷんから加水分解されて作られる炭水化物であり、主に食物繊維として分類されます。
一方、難消化性澱粉(Resistant Starch)は、でんぷん分子の一部が消化酵素によって分解されずに小腸を通過し、大腸で発酵される澱粉の形態です。
難消化性デキストリンは、一般的には水に可溶であり、消化吸収が進まず、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。一方、難消化性澱粉は、消化酵素によって分解されなかった部分が大腸で発酵されるため、腸内環境を改善する効果があるとされています。
両者は異なる化学的性質を持ち、異なる健康効果を持っているため、区別する必要がありますが、両方とも血糖値の上昇を抑えるという点では共通しています。
レジスタントスターチでGI値はどれくらい変わるか?
GI(グリセミック指数)は、食品が血糖値に与える影響を示す指標で、糖質がどれくらい速く吸収されるかを示しています。GI値が高いほど、血糖値が急激に上昇しやすいことを意味します。GI値は100を最大値とし、砂糖(グルコース)が基準値となっています。
レジスタントスターチがGI値に与える影響は、食品や加工方法や調理法によっても変わりますが、一般的には、10〜20%程度、GI値が低くなると言われています。
白米と玄米のGI値との比較
白米と玄米のGI値は、おおよそ以下のようになります。
白米:約70-80
玄米:約55-65
玄米のGI値は白米よりも低いため、血糖値の上昇が緩やかになるとされています。玄米は、外皮を含むために食物繊維が豊富で、消化・吸収の速度が遅くなり、血糖値の上昇が抑えられます。
玄米は白米と比較して約3割ほどGI値が低くなっていますが、白米を冷やしレジスタントスターチを形成させてから食べることで、GI値の面では玄米に近い効果も期待できるということになります。
冷凍したご飯を再加熱した際、レジスタントスターチに与える影響
炊きたてのご飯を24時間冷凍庫に保存すると、レジスタントスターチは2倍以上になりますが、再加熱した時に、元の糊状のでんぷんに戻ってしまうのではないか?と思いませんか?
冷凍後にレジスタントスターチを再加熱してレジスタントスターチの量を測定した論文はいくつかありますが、一度形成したレジスタントスターチを電子レンジで再加熱しても元の糊化でんぷんには戻らないことが示唆されています。
参照論文
亀井文、高橋遥 (2013) 「さつまいもの加熱調理直後、冷蔵保存及び再加熱によるレジスタントスターチ量の変化」『日本家政学会誌』64(11): 231-237. DOI: 10.11428/jhej.64.231
「レジスタントスターチは冷ますと増えてレンジで減らない」、(一社)日本調理科学会2021年大会、(DOI: https://doi.org/10.11402/ajscs.32.0_23)
冷凍した玄米を解凍して食べるとより白米よりGI値が4割程度低くなる可能性
上術の通り、玄米は白米に比べてGI値が3割程度低いです。
さらに玄米を冷凍することで、1割から2割程度GI値が低くなることを踏まえると、炊き立ての白米と比較して、4割程度GI値が低くなることが考えれます。
糖質量全体としては、ほとんど変化がないため注意が必要ですが、GI値が4割ほど変わることを考えると、炊き立ての白米よりも冷凍した玄米を温めて食べる方がよいことが分かります。
私自身、玄米は一度にたくさん炊いて冷凍しておいたものを解凍して食べることが多いのですが、レジスタントスターチの効果を調べてみて、GI値の観点では、冷凍した玄米は身体に優しいことが確認できてよかったです。
皆さんも、お米が食べたくなった時は、白米ではなく食物繊維やビタミンミネラルが豊富な玄米を、炊き立てではなく冷ましてから食べると、GI値がより低くなり白米を食べるよりも血糖値の急上昇が抑えられますので、参考にされてください。
New products
新商品
著者プロフィール
フスボンオーナー
川谷 洋史
HIROSHI KAWATANI
1980年・大阪生まれ
東京工業大学・工学部・建築学科卒
一級建築士
2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。
2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。
趣味
食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、YouTubeを観る
マイブーム
糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー