こんにちは!フスボンオーナーです。
今回は糖質制限について基本的なことからまとめます。
糖質制限の目的や効果は痩せることと思われがちですが、ダイエットはあくまで副産物であり、もっと大きな目的や効果があります。
それは血管を元気にし、細胞の糖化を防ぎ、いつまでも若々しく健康に過ごすことにあります。
血糖値の変動を小さくすると、血管の炎症を繰り返すことにより起きるさまざまな疾患(脳卒中や心筋梗塞)の予防につながります。また、糖尿病の予防や、ニキビなどの吹き出物の予防、食後の眠気が無くなる、抗鬱症状の改善など様々な効果があります。
今回は理論はなるべく省いて、簡単に始めれることから説明をしていきます。
ポイント1 精製された砂糖をやめる
精製された砂糖をまっさきにやめよう
糖質制限の基本は、血糖値のコントールにあります。そのため第一に実践すべきは砂糖の摂取をやめることです。
炭水化物の制限については、自分の目的やご自身の体調や環境に合わせて摂取量をコントロールしていけばいいと、私は考えます。
そういう意味で、普通のパンには砂糖が入っているため、摂取をやめた方がいいですが、お米や砂糖の入っていない麺類に関しては、玄米で食べたり、野菜やタンパク質や脂質を先に食べる(カーボラスト)など工夫次第で摂取しても問題ありません。 さらに具体的に書いていきます。
スポーツドリンク・清涼飲料水・ジュース・お菓子・スイーツをやめる
スポーツドリンクには砂糖がいっぱい
まずは砂糖の入っている、スポーツドリンク、清涼飲料水とお菓子、スイーツをやめましょう。
特に水に溶けている砂糖(液糖)は吸収が早く、血糖値の急上昇を招いてしまいます。スポーツドリンクなどは、アミノ酸や体液に近い成分を含むものなど健康にいいイメージがありますが、ほとんどの製品に大量の砂糖が使用されています。
運動をしている時であればさほど問題ないのですが、普段の運動量の少ない生活の中で健康飲料的に飲むのは控えましょう。
また、人工甘味料(スクラロース、アセチルファムカリウム、アスパルテーム)を用いたエナジードリンクなどが最近はやっていますが、人工甘味料はインスリンの分泌を促し膵臓を痛めたり、インスリン分泌の際に活性酸素の発生を促す恐れがあると言われているので、血糖値が上がらないからと無制限に飲むのではなく、たまに摂るくらいにした方がいいです。
さらに100パーセントのオレンジジュースやりんごジュースなどは砂糖が入っていないので健康にいいと思われがちですが、果糖を多く含み中性脂肪となって蓄えられやすい飲料ですので、痩せるのが目標であれば控えましょう。また、果物を摂りたい場合は、ジュースにするのではなくなるべく果物そのものでしっかり噛んで食べましょう。
ポイント2 良質な脂を積極的に摂る
良質な脂はカロリーを気にせずたっぷりと
脂=高カロリー=「脂肪になるから食べたくない」と思いこまれていますが、それは代謝を無視した議論です。糖質制限では糖質からのカロリーを控える代わりに脂やタンパク質からカロリーを摂取します。
脂に関しては、トランス脂肪酸のように人工的に作られた脂や酸化した脂で無ければ、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸いずれも身体に悪くないということが、ここ10年の栄養学の進歩により分かってきました。
たとえば、TIME紙の1984年3月26日号のタイトルは、Cholesterol ~And now the bad news...~となっており、脂やコレステロールが悪者として記述されています。
一方で、同じTIME紙の2014年6月23日号では、Eat Butterとまるで逆のことが記述されるようになりました。コレステロールは悪者ではなく、糖質の摂りすぎによる血糖値の急上昇・急降下により炎症を起こした血管細胞の内壁の修復にコレステロールが集まってきているだけだということがわかってきたからです。
国立がんセンターの研究でも、肉の脂やバターなど良質な飽和脂肪酸の摂取が増えるほど、脳卒中の発症率は低くなるというデータが出てきています。
脂の中でも、体内で細胞膜を作るために必要な必須脂肪酸は必ず摂る必要があります。
お魚の脂やエゴマオイル、アマニオイル、チアシードなどに多く含まれる不飽和脂肪酸の中でも、オメガ3と言われる脂は、体内では生成できない必須脂肪酸の中でも不足しがちな脂であり、熱にも弱く酸化しやすい脂であるので、サプリなどを用いて補う方がいいです。
また、蓄えている脂肪をエネルギーとして使うにあたり、きっかけとなるような中鎖脂肪酸も積極的に摂る必要があります。
中鎖脂肪酸とは、ココナッツオイルなど飽和脂肪酸の中でも長さが中ぐらいの脂を指します。さらにココナッツオイルなどから中鎖脂肪酸を抽出したものをMCTオイルといいます。摂取してから3時間後から4時間後くらいにエネルギーとして直接使用され、身体の中の脂肪をエネルギーとして使用するきっかけづくりをしてくれます。
サッカー日本代表の長友選手も試合前3時間前にMCTオイルを摂取しているそうです。ココナッツオイルと比較して無味無臭なので、コーヒーにいれて、サラダにかけてととっても使いやすい脂ですので是非使用してみて下さい。
以上のように、良質な脂を積極的に摂る。これが糖質制限をやる上での2つ目のポイントです。脂質を抑えたメニューというのは、カロリー制限食であり疲れやすいだけでなく、美味しくないので続きません。
糖質を控えるとどうしても物足りなさを感じることもありますが、代わりに脂を摂ることで甘味を感じたり、満足感・美味しさを感じることが出来ます。積極的に脂を摂るという点が、糖質制限食とカロリー制限食の大きな違いのポイントでもあります。
ポイント3 良質なタンパク質をしっかり摂る
良質なタンパク質をたくさん摂ろう
たんぱく質を摂ると筋肉がつくという認識は、昨今ほとんどの人がもっていると思います。しかし、その中でもどれくらいの量を摂るべきか、どのようなタンパク質を摂るべきか、効率よく吸収されるにはどのようにすべきかなどについては、まだ詳しく理解されていないように思いますので、説明致します。
糖質制限中に摂るべきたんぱく質の量
ケトジェニックダイエットでは、体重からkgの単位を取り1.2倍から1.6倍した数値にgをつけた量を摂取すべきだとされていますが、50kgの女性ですと60gのたんぱく質を摂取する必要があることになります。お肉だけから摂取すると300gのお肉を摂る必要があり、プロテインなどを用いず、毎日食事からだけとなるとなかなか厳しい数字です。
ですので、フスボンでは、食事から摂るタンパク質に関して、はじめは1倍を最低限の基準として推奨したいと思います。50キロの女性ですと、50gのタンパク質ですから、お肉だけでタンパク質を摂るのであれば250gのお肉を摂る計算になります。
もちろん卵や納豆などからも摂取可能で、卵を2個とフスボン1個で20gくらいのタンパク質を摂れますので、残り30gを動物性のタンパク質で摂るとなれば現実的ではないでしょうか。
それ以上を摂る場合に関しては、ホエイプロテインを20gほど水に溶かして摂ると比較的楽にタンパク質を摂取することができます。
<たんぱく質量の計算の目安>
お肉・お魚・・・全体の1/5。例)お肉100gあたり20gのタンパク質量となります。
卵・・・6g/個
フスボン・・・約10g以上/個
大豆・・・全体の1/10。例)100gあたり10g
豆乳・・・100mlあたり7g
納豆1パック・・・40gあたり6.6g
糖質制限中に摂るべきタンパク質の種類
脂と同じなのですが、植物性=健康、動物性=不健康というのは単なるイメージや思い込みであり、誤りです。どちらかというと動物性のタンパク質の方が、鉄やビタミンBなどを含んでいるので、栄養豊富です。
鳥、豚、牛で言えば、牛が一番栄養素が豊富です。タンパク質はローテーションして食べる方が、遅延型のアレルギーが出にくいと言われているので、魚も含めて動物性のタンパク質をローテーションして食べることをおススメします。
また卵はアミノ酸スコアが満点でビタミンEなども含み栄養が豊富ですので、1日2個以上を目安に積極的に摂りましょう。
動物性のタンパク質だけでは、なかなかタンパク質を摂ることが費用的にも厳しいので、その分を大豆製品やホエイプロテインなどで補うのもおすすめです。
タンパク質を摂る際に気をつけること
肉や乳製品などのタンパク質には、リンやイオウを含んでおり、灰化し水に溶けると酸性となります。尿が酸性になることを防ぐために、骨からカルシウムが溶け出します。カルシウムは水に溶けるとアルカリ性になるからです。
尿が酸性に傾くと、高尿酸血症による尿酸結石、高カルシウム尿症、高カルシウム結晶によるカルシウム結晶が起きやすくなります。
ですので、尿が酸性に傾かないように、また骨からカルシウムが溶け出さないように、野菜や海藻などカリウム、ナトリウム、カルシウムなどアルカリ性を示す食品を同時に摂るように気をつけましょう。
糖質制限では、このようにビタミン・ミネラルの摂取が非常に重要ですので、単に「糖質を減らすこと=糖質制限」と思いこまないようにしましょう。
ポイント4 ビタミン・ミネラルなどを摂る
ビタミン・ミネラルをサプリで補おう
糖質制限では脂質をエネルギーにする必要があります。
体内の脂質をエネルギーとして使用するには、まずは、糖質の摂取を控えて、糖質由来のエネルギーを枯渇させ、肝臓(や腎臓)で糖新生(オキサロ酢酸とタンパク質から糖を作る機能)を生じさせる必要があります。
そうすると、肝臓内ではオキサロ酢酸が不足し、クエン酸回路が回りにくくなります。その結果、エネルギーの元となるアセチルCoAが余り、肝臓内のアセチルCoAがケトン体となって全身の細胞で使用されます。
ケトン体は、各細胞で再びアセチルCoAとなってクエン酸回路によってエネルギー(ATP)を生み出します。
このようにケトン体をエネルギーとして使用されている状態を、ケトン体回路とケトジェニックダイエット業界では呼ばれています。
以上の理由から、糖質制限をしていない状態では、なかなか体内の脂肪をエネルギーにすることが出来ません。ですので、まずは糖質を減らすことが最優先ですが、実は、それだけでは脂肪を効率的にエネルギーに変えることが出来ません。
ケトン体回路をうまく回すには、ビタミンB群、鉄、マグネシウムといったビタミン、ミネラルが触媒として機能するためです。もちろん普段の糖質の代謝においても、クエン酸回路をうまく回すには、上記のビタミン、ミネラルが必要ですが、クエン酸回路がメインとなる脂質の代謝の場合はなおさらです。
ビタミンB群やマグネシウムは食事で摂れない場合は、サプリを用いて積極的に摂り、女性の場合は鉄不足であることも多いので、鉄サプリ(特にキレート鉄がおすすめ)も積極的に摂りましょう。
ポイント5 低糖質なパンやスイーツを活用する
低糖質パンを有効に活用しよう
糖質制限中は、サラダとお肉といった単調な食事になりがちで、一ヶ月程度すると飽きてしまい糖質制限を持続できないということがあります。
私も、糖質制限を開始してからしばらくの間は上手くいったのですが、数週間を過ぎたあたりから、炭水化物的なものが食べたくなってきました。
その時に知ったのが、ふすまパンや大豆粉パンといった低糖質なパンだったのですが、美味しいものがなく、原材料にマーガリンや人工甘味料を使用しているパンしか なかったことから、パンの自作をはじめてそれがフスボンをはじめるきっかけとなりました。
また、サラダとお肉だけでは便秘になってしまうことも多いので、ふすまパンを上手く利用して食物繊維を摂取して、食べ物の体積を増やしてお通じをよくすることもおすすめです。
まとめ
カロリー制限の特徴
○脂やタンパク質の摂取量が少ない。(食事をしても満足感がない)
○満腹感がない、エネルギー不足で疲れやすい、筋肉量が落ちる、リバウンドしやすく、体温が低くなる(免疫力が下がる)
一時的に痩せるかもしれませんが、メリットがほとんどないのでカロリー制限はやめましょう!
糖質制限の特徴
○脂やタンパク質、ビタミン、ミネラルを積極的に摂り、カロリーは普通に摂取する。食事で補えない場合はサプリを通じて、オメガ3やビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)、ミネラル(マグネシウム、カルシウム、鉄)もしっかり摂る。
○満腹感がある、疲れにくい、食後眠くならない、筋肉量が維持できる(体温が高くなり免疫力があがる)
糖質制限で失敗された方は、上記の事に留意をされるときっとうまくいくと思います。 以上、フスボンオーナーのあらためて糖質制限のコツまとめでした。
では、また!