血管の中の炎症のイメージ
公開日:2017年02月02日
更新日: 2023年12月13日

CRPとは?高感度CRPとは?基準値や炎症を起こさないための食生活


こんにちは!フスボンオーナーです。

本日は炎症についてお話をします。


炎症というと、怪我をして炎症を起こしたり、風邪をひいて鼻をかみすぎて鼻の奥の方で炎症が起きたなど、かさぶたができたり、鼻水がでたり、ウミがでたりと白血球などの免疫細胞が頑張っているイメージがあると思います。


上記のように、風邪をひいたり、怪我をするなど自分でも感じられる炎症もあれば、血管の内皮細胞が傷つくなど自覚症状としては感じられない小さい炎症もあります。

CRPとは?


CRPとは?

CRPは、C-Reactive Proteinの頭文字で、身体内で炎症が起きたり、細胞が破壊されたときに急激に増加するタンパク質です。


CRPは肝臓で産生され、血液中に放出されます。炎症が起こると、炎症部位に免疫細胞が集まり、炎症反応を引き起こす物質が放出されます。これにより、CRPの産生が活性化され、血液中のCRP濃度が上昇します。


CRPの測定は、血液検査によって行われます。一般的には、血液中のCRP濃度を定量的に測定することができます。測定結果は通常、ミリグラム(mg)またはミクログラム(μg)単位で報告されます。CRPの値は通常、低い値(0.1 mg/dL以下)から高い値(数十mg/dL以上)までの範囲で示されます。


CRPの値が高いと、具体的な病名や病状を特定することはできなませんが、感染症、炎症性疾患、悪性腫瘍、心血管疾患などの病気の存在や活動を示唆する指標となります。

炎症の種類


身体に起こる炎症には下記の2つがあります。

急性炎症


怪我や病原体による炎症。数時間から4週間程度で治まるものを指します。

慢性炎症


炎症が急性炎症の期間で治まりきらなかった病気や症状の原因を抑えるために慢性炎症になります。


細菌やウイルスが残っていることで炎症が長引いたり、それを抑える効果が出たりすることにより、炎症と収束を繰り返すこともあります。


慢性炎症による疾患や症状では「ぜんそく」や「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー性疾患、「関節リウマチ」などの自己免疫性疾患が良く知られています。これらの疾患は長きに渡って辛い症状が続くことがあります。

高感度CRPとCRPの基準値


CRPの基準値

高感度CRPとは


上記の急性炎症では、0.1mg/dL単位のCRPの変化を見れば十分でした。それに対して、慢性炎症の微量な変化を見るために、測定範囲を1/100の範囲にまで測定する必要が出てきました。最近では、ほとんどのCRP検査で1/100単位まで測定してもらえます。


また、1/1000単位まで測定できる高感度CRP(hs-CRP)という検査も存在します。高感度CRP(hs-CRP)が心臓病のリスクを評価するための指標として用いられることが増えてきました。


特に、地中海や沖縄などで100歳を超えても元気なお年寄り(センテナリアン)のCRPを測定すると、CRPが非常に低いことが確認されており、そのことからも高感度CRPにより注目が集まっています。

CRPの基準値


CRPと高感度CRPの基準値を表にまとめたものがこちらになります。

旧CRP新CRP高感度CRP
検査方法TIA法LA法LA/ネフェロメトリー法
測定範囲0.1~0.01~0.004~0.5
報告桁数少数第一位少数第二位少数第三位
基準値(-)0.5以下(-)0.30以下
実施料・判断料定性/定量17点・免疫未収載
所要日数1日3~4日

シー・アール・シーグループHPより引用しています

CRPを下げるには?


オメガ3を多く含む地中海食

CRPを下げるための研究がいくつかあります。以下に、論文を交えながら紹介します。


1つ目として、CRPを下げるには、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸の中のオメガ3を摂ると良いと言われています。
地中海食では、魚、オリーブオイル、ナッツ類がよく使われます。これらは、「オメガ3脂肪酸」「ポリフェノール」「リコピン」が多く含まれているのが特徴であることからもオメガ3やポリフェノールがCRPを下げる食品として注目されています。

【参考文献】

Estruch, R., et al. (2018). Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet supplemented with extra-virgin olive oil or nuts. New England Journal of Medicine, 378(25), e34.


2つ目は、ビタミンDの摂取です。
ビタミンDは、日光によって皮膚で合成されることや食事から摂取することができます。ビタミンDの不足は炎症反応を活性化させる可能性があります。研究によると、ビタミンDのサプリメント摂取やビタミンD豊富な食品の摂取によってCRP値が低下することが示されています。


【参考文献】

Jorde, R., et al. (2010). Effects of vitamin D supplementation on inflammation and metabolic risk factors in overweight and obese subjects: A randomized controlled trial. European Journal of Nutrition, 49(7), 1-9.


3つ目は、適度な運動です。
適度な運動は、炎症を抑制する効果があります。有酸素運動や抵抗運動を含めた定期的な運動は、CRP値の低下に関連しています。研究によると、適度な運動を行うことでCRP値が低下し、炎症を抑制する効果があることが示されています。


【参考文献】

Colbert, L. H., et al. (2004). Physical activity, exercise, and inflammatory markers in older adults: Findings from the Health, Aging and Body Composition Study. Journal of the American Geriatrics Society, 52(7), 1098-1104.


最後にストレスの管理です。
長期間の慢性ストレスは、炎症反応を促進する可能性があります。ストレス管理技術(例: マインドフルネス瞑想、深呼吸法、ヨガなど)の実践は、CRP値の低下に関連しています。研究によると、ストレス管理の取り組みによってCRP値が低下することが報告されています。


【参考文献】

Black, D. S., & Slavich, G. M. (2016). Mindfulness meditation and the immune system: A systematic review of randomized controlled trials. Annals of the New York Academy of Sciences, 1373(1), 13-24.

そもそもCRPを上げない方法は?


血糖値の急激な急上昇急降下が血管内皮細胞の炎症を招く

CRPを上げないためには、血糖値の上下動を抑えて血管内で炎症を起こさないことが重要になります。


炎症反応中に放出される一部のシグナル(細胞間で受け渡される信号)は、細胞に細胞死(アポトーシス)を開始するように指示することがあります。こちらの論文では、血糖値の上下動が血管内皮細胞の死滅(アポトーシス)を招くことが示されています。

他にも、糖質を控えた食生活がCRPを上げないことを示した論文がいくつかありますので、参考にされてください。


【参考文献】

Risso A., et al. (2001). Intermittent high glucose enhances apoptosis in human umbilical vein endothelial cells in culture. American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism, 281(5), E924-E930.


Ajala, O., et al. (2013). Systematic review and meta-analysis of different dietary approaches to the management of type 2 diabetes. The American Journal of Clinical Nutrition, 97(3), 505-516.


Mancini, J. G., et al. (2018). Systematic review and meta-analysis of the association between changes in serum levels of C-reactive protein and consumption of cereal fiber, fruits, and vegetables. Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 58(17), 2980-2990.


上述したとおり、血糖値の急激な上下動は細胞の炎症を招き、さまざまな病気を招く可能性があります。
精製した砂糖の摂取をやめて、まずは緩やかな糖質制限である一日130g以下の糖質量を目指しましょう。

糖質を減らす代わりに、良質な脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルを摂ることを忘れないでください。


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著者プロフィール

フスボンオーナー・川谷洋史

フスボンオーナー

川谷 洋史

HIROSHI KAWATANI

1980年・大阪生まれ

東京工業大学・工学部・建築学科卒

一級建築士


2012年ごろより糖質制限にハマり、低糖質で無添加、良質な脂質、人工甘味料を使用しないパンやスイーツがないことから、自作を始める。

2014年9月にフスボンを立ち上げ現在に至る。


趣味

食べること、スポーツ観戦、サウナ、ゴルフ、YouTubeを観る


マイブーム

糖質制限×サウナ×オーソモレキュラー

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